4月の星空
桜も今が盛りですが、後ろを向くとすぐそこには青葉が目に沁みる季節がやって来ています、しみじみ日本の四季に感謝です。
4月の夜空は3月と同じ様に明るい星は少なく物寂しい空ですが、夕方西の空にはまだ冬の星座オリオン座・おおいぬ座・おうし座・ぎょしゃ座等の1等星を有している星座が頑張っています。
これからの春の星座は素晴らしく明るい星は少ないのですが、どなたでも一度は見た事のある星座が少なくありません、北の方角を見るといつの季節でも見える北極星、その上には、(ひしゃくの形をしている七つ星)大熊座の一角を形作っています(アニメ北斗の拳の胸に有りますね)、いま少し南の方に目を向けると鎌の形を頭に見立てた、しし座があります、今月はこの辺りに素晴らしい輝きを放つ木星が陣取っています、今月の17日~18日にかけて月齢12日頃の月と非常に接近して見事なコラボを魅せてくれると思います。
しし座のお尻にあたる所にある恒星デネボラ(2等星)と東の方にあるおうし座の1等星アークトゥルス(1等星)それに おとめ座の1等星スピカ(1等星)を結ぶと春の夜空の中にかなり大きな三角形が出現します、これが春の大三角と呼ばれるものです、一度形を覚えてしまうとその後この季節になればいつでも目に入って来る事でしょう。
(スマホをお持ちの方は星座早見機能の有るアプリを入れてみたらどうでしょうか?アプリ検索サイトに繋ぎ検索欄に星座と入力するとズラズラと星座関連アプリが出て来ます、その中から自分にあっているアプリをインストールして見てください、最初は人気のある無料アプリの中から選んだほうが無難だと思います、空の特定方向に向けると向けた方向にある星座が表示されます、まさに自動星座早見盤です。)
今月の観望条件の良い惑星
水星が10日から26日に掛けて日の入り後30分後の高度が10度を越えて、明るさも0.8等~1.6等ほどありますので下図を参考に探して見てください(今年の中では一番条件の良い時期です)
火星はさそり座からへびつかい座に移り-0.5等~-1.4等の明るさで輝いています、25日には月と接近した姿も観られます、また27日にはさそり座の1等星アンタレスにも近付き見事な景観を見せてくれる事でしょう。
*ただ両日とも夜半遅くになるので寒さ対策は忘れずに!
木星はしし座に有り、日の入り後の南東の空に見えています、明るさは-2.4等~-2.3等で光輝いています(夜空が明るい東京の薄曇の日でも雲を通して見た事があります)
また前述の通り18日頃には満月近くの月に見掛け上近付きますので、それもまた素晴らしい景観を見せてくれそうです。
双眼鏡で見ても一つの視野に入りますので、ぜひ双眼鏡を使ってみてはどうでしょうか、よく見ると木星が光点では無く何となく面積を持った星に見えることでしょう、また木星の周りを回っている4大衛星も見えますので日を置いて見てください、衛星の位置の変化に気が付く事でしょう。
(宇宙の神秘に一歩足を踏み入れた思いを感じるのではないでしょうか?)
土星は真夜中に南東の空に上がり0.3等~0.2等で輝いています、双眼鏡で見るとハッキリとは土星の環は見えませんが何となく両側に突起物がある様な見え方をしている姿が思い浮かびます。
25日頃には月と火星と仲良く並んで見えています。
4月22日は満月ですが、この月は今年見掛け上最も小さく見える月になります、視直径29分24秒で今年11月14日の満月33分30秒に比べ約88%の大きさにしかなりません。
(これは地球の周りを月が楕円軌道で周回している為に起こる事象になります。)
最近の天文学での研究成果としてはブラックホールなどから発生される重力波の検出が上げられます此れからの精度向上に伴う研究が待ちどうしい所です。もう一つ、これから物凄い成果を予感させる計画が今現在、南米のチリ(アタカマ砂漠(標高5000メートル))で進められている事を御存知でしょうか?
東アジア・北米連合・ヨーロッパ連合との国際共同プロジェクト「アルマ計画」です、日・米・欧で其々の得意分野を生かしながら進んでいます。
(因みにアロマとはチリでの公用語で「たましい」との意)
ここでの観測はパラボラアンテナでの観測になります、実は目で見える光も「可視光」と呼ばれる電磁波の一種です、最も赤外線よりの電波(波長が短い)をサブミリ波と呼び次に波長の短い電波をミリ波と呼びます、(ちなみに、ハワイに有るすばる望遠鏡は可視光と赤外線で観測しています。)
このアルマ電波望遠鏡はサブミリ波を中心として観測をします、この波長で観測する狙いは可視光や赤外線は比較的温度の高い物が発する物を捕らえられますが、温度の低い宇宙空間にある塵やガスを測定出来ません、しかしサブミリ波の望遠鏡では暗黒の宇宙の姿を見る事が出来るのです、と云う事は宇宙が出来て間もない生まれたての銀河や星の誕生等の姿を捉える事が出来ます。
私たちの地球または太陽系の有る銀河がどの様にして出来たか、そして命の素となる生命の材料が何処から来たのかを解き明かしてくれる事と信じています。
因みに此処のパラボラアンテナは66台のそれぞれ大小のアンテナを可動式にして動かし最大口径16キロメートルある一つの望遠鏡として使うことが出来ます、これはすでに稼動していて私たちに見事な宇宙写真を提供してくれている、すばる望遠鏡やハップル宇宙望遠鏡の約10倍の解像度を達成している様です、期待が大きく膨らみますね。
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